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2024.08.01
【オメガ】スヌーピーと共に宇宙へ!スピードマスター“スヌーピー アワード” コレクションを徹底解説_310.32.42.50.02.001【OMEGA】
【オメガ】スヌーピーと共に宇宙へ!スピードマスター“スヌーピー アワード” コレクションを徹底解説【OMEGA】
はじめに
オメガのスピードマスターは、世界中の時計愛好家から「ムーンウォッチ」の愛称で親しまれ、世界初の月面着陸時計として知られる時計史に刻まれる名作中の名作腕時計です。
その中でも、特に入手困難で絶大な人気を誇るのが「スピードマスター“スヌーピー アワード”コレクション」です。
このコレクションは、ダイヤルやケースバックに宇宙服を着たスヌーピーが描かれており、その可愛らしさと希少さから、世界中の時計ファンやコレクターから熱い支持を受けています。では、なぜスウォッチグループの主要ブランドであるオメガのスピードマスターにスヌーピーが登場するのでしょうか?
この記事をご覧になっている皆さんも、一度は疑問に思ったことがあるはずです。この記事では、そんな皆さんの疑問に答えるとともに、これまでに発表されたスピードマスター“スヌーピー アワード” コレクションの各モデルをできるだけ詳しくご紹介できればと思います。
是非、最後までお付き合いください。オメガのスピードマスターとスヌーピーの関係とは?
高級時計ブランド「オメガ」のアイコン的存在である「スピードマスター」と、世界中で愛されるコミック「ピーナッツ」の人気キャラクター「スヌーピー」。一見すると繋がりのないように思える両者ですが、実は宇宙開発史における重要な出来事を共に経験した、深い絆で結ばれた間柄なのです。
その歴史は、1960年代にアメリカ航空宇宙局(NASA)がアポロ計画を進める中で始まります。
当時、過酷な宇宙環境に耐えうる信頼性の高い腕時計を探していたNASAは、様々なブランドの時計を厳格なテストにかけました。
そして、その過酷なテストを唯一クリアしたのが、オメガのスピードマスターだったのです。こうしてスピードマスターは、1965年にNASAの公式腕時計として認定され、宇宙飛行士の腕に装着されて宇宙へと旅立ちました。
そして、1969年7月20日、人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号のクルーと共に、スピードマスターは月の地に降り立った最初の時計として、歴史にその名を刻むこととなります。その後もスピードマスターは、アポロ計画における宇宙飛行士たちの頼れる相棒として活躍し続けました。
-スヌーピーアワードとは?-
1970年にオメガはNASAから「シルバー・スヌーピー・アワード」を授与されました。
このアワードは、1968年に設立され、有人宇宙飛行の成功に大きく貢献したサポートスタッフやサプライヤーなどに贈られるもので、当時スヌーピーは、NASAの安全性と品質のシンボルとして採用されていました。
スヌーピーが登場する漫画「ピーナッツ」の作者であるチャールズ・M・シュルツは、NASAにスヌーピーの商標を無償で使用させることで、アポロ宇宙計画を支援したそうです。オメガは、アポロ13号に搭乗した3人の宇宙飛行士による宇宙開発史上最も危機的な事故からの生還において、スピードマスターが果たした重要な役割を評価されて、この名誉ある賞を受け取りました。
月へ向かうアポロ13号
出典:映画「アポロ13」
-アポロ13号の事故: 絶望の淵から生まれた奇跡の生還劇-
1970年4月11日、アメリカは3度目の月面着陸を目指し、アポロ13号を打ち上げました。
船長ジム・ラベル以下、3名の宇宙飛行士を乗せた宇宙船は順調に飛行を続け、地球を離れてから2日後には月へ向かう軌道に乗っていました。
しかし、打ち上げから55時間54分53秒後、月への到着まであと僅かというところで、誰もが予想だにしなかった事態が発生します。それは、地球から32万km以上離れた宇宙空間での出来事でした。
サービスモジュールと呼ばれる司令船を収納した区画で、突然大きな爆発音が鳴り響いたのです。
当初、隕石の衝突も疑われましたが、調査の結果、酸素タンクの一つが爆発したことが判明します。この酸素タンクの爆発は、アポロ13号にとって致命的なダメージとなりました。
酸素は宇宙飛行士の呼吸だけでなく、電力を生成するための燃料電池にも使用されていました。
爆発により酸素は急速に宇宙空間に漏れ出し、残された電力もわずか。
月面着陸はおろか、地球への帰還すら危ぶまれる絶体絶命の危機に陥ってしまったのです。地上管制センターは、あらゆる可能性を検討し、残された機器と物資を駆使して、乗組員を生還させるためのあらゆる手段を講じます。一方、宇宙空間では、酸素濃度の上昇、電力不足、極寒など、過酷な環境下で、3名の宇宙飛行士たちが冷静さを失わず、地上からの指示に従いながら、生存のための闘いを続けていました。
-奇跡的な生還-
この時、アポロ13号の乗組員たちを支えた機器の一つが、オメガのスピードマスターでした。
宇宙飛行士たちは月面着陸を諦め、月着陸船を救命ボートとして使用し地球に帰還する計画を立てました。
電力供給が制限される中、正確なタイミングでのエンジン噴射が不可欠となり、彼らはスピードマスターを用いて14秒間のエンジン噴射を正確に計測、実行しました。
この正確な時間計測が、月の周回軌道に乗るための軌道修正、そして地球への帰還軌道に乗るためのエンジン噴射を成功させ、アポロ13号の奇跡的な生還に大きく貢献したのです。その後も、アポロ13号と乗組員たちは、様々な困難に直面します。
損傷したサービスモジュールを切り離し、月着陸船を救命ボート代わりに使用することを余儀なくされ、極限の電力節約のため船内は極寒の状態となりました。
しかし、彼らは決して諦めることなく、地上スタッフと協力しながら、7日間に及ぶ長く危険な旅を続けました。その結果、アポロ13号は予定されていた地球での回収ポイントから僅か1海里(1.852km)という位置に着水するという神業をやってのけたのです。
NASAは、オメガのスピードマスターが宇宙飛行士たちの帰還に重要な貢献をしたことを称え、シルバー・スヌーピー・アワードを授与したのです。純銀製の「シルバー・スヌーピー」ラペルピン
出典:「NASAホームページ」
「シルバー・スヌーピー・アワード」とは、その受賞者に贈られる小さな純銀製のバッジ(宇宙服を着て踊るスヌーピーの形)がその名前の由来となっています。
そして、2003年に、オメガは最初の“スヌーピーアワード”コレクションのスピードマスターを発売します。
ここからは、歴代のスピードマスター“スヌーピーアワード”コレクションをご紹介いたします。歴代のスピードマスター“スヌーピー アワード”コレクション
オメガのスピードマスター“スヌーピー アワード”コレクションは、これまでに3種類のモデルが発売されています。
それぞれのモデルは、オメガとNASAの歴史的な出来事にちなんで、限定本数やデザインが異なります。
ここでは、それぞれのモデルの歴史と特徴をご紹介します。
-2003年発売:スピードマスター プロフェッショナル “スヌーピー アワード”-
Ref. 3578.51.002003年に発売された初代モデルは、「シルバー・スヌーピー ・アワード」受賞30周年を記念したもので、ダイヤルが黒、9時位置とケースバックには、NASAから贈られた「シルバー・スヌーピー・アワード」のバッジをモチーフにした、ユニークなデザイン「宇宙服を着たスヌーピー」が描かれています。
一方で、それ以外は当時のレギュラーモデル、スピードマスタープロフェッショナルのデザインをそのまま採用していました。
限定本数はアポロ13号の活動時間である142時間54分41秒にちなんで、5441本で発売されました。
5,441本という数は限定モデルとしては多いように思えますが、文字盤とケースバックに描かれたカラフルなスヌーピーのイメージは非常に幅広い層に支持されており、二次流通市場でも高価格で取引されています。裏蓋には「Eyes on the stars」というメッセージが刻まれています。
「Eyes on the stars」は、アメリカ第26代大統領セオドア・ルーズベルトの言葉で、「星を見てごらん」という意味です。
(実際の彼の言葉は「Keep your eyes on the stars, and your feet on the ground」=「目標を空の星のごとく高く持て 、実行する時は地面を歩く足のごとく堅実にやれ」)◆スピードマスター プロフェッショナル “スヌーピー アワード”
Ref.3578.51.00
ケース径:42mm
ケース厚:14mm
ケース素材:ステンレススチール
風防:ヘサライト(強化プラスチック)
防水性能:3気圧(30m)
パワーリザーブ:48時間
手巻きキャリバー1861搭載
発売当時の価格:367,500円
-2015年発売:スピードマスター アポロ13号 45周年記念 “スヌーピー アワード”-
Ref. 311.32.42.30.04.0032015年に発売された2代目モデルは、アポロ13号の救出から45周年を記念したもので、ダイヤルが白、9時位置にはスヌーピーが描かれています。
「シルバー・スヌーピー・アワード」を受賞した1970年にちなんで限定本数は1970本で発売されました。
スヌーピーが登場する漫画『ピーナッツ』が新聞連載から始まったことにちなんで時計全体をホワイト&ブラックで統一したモノクロのスタイリングとなっています。文字盤中央には「Failure is not an option」というメッセージが書かれた吹き出しが描かれています。
これは「失敗という選択肢はない」という意味で、月への飛行中に事故に遭遇した「アポロ13号」のフライトディレクター、ジーン・クランツの言葉です。また、インベゼルの秒目盛り0から14までの下の部分には「What could you do in 14 seconds?」=「14秒間に何ができるか?」という文字があります。
これはアポロ13号の乗組員がスピードマスターのクロノグラフ機能を使ってエンジンの噴射時間を計測したことへのオマージュで、その目盛りは四角形の輪郭を用いて強調されています。そして、ケースバックには、宇宙遊泳を楽しむシルバーのスヌーピーが、エナメルの背景に描かれ、当時オメガに贈られた「シルバー スヌーピー アワード」のメダルと同一のデザインが採用されています。
◆スピードマスター アポロ13号 45周年記念 “スヌーピー アワード”
Ref. 311.32.42.30.04.003
ケース径:42mm
ケース厚:14.8mm
ケース素材:ステンレススチール
風防:ヘサライト(強化プラスチック)
防水性能:5気圧(50m)
パワーリザーブ:48時間
手巻きキャリバー1861搭載
発売当時の価格:766,800円
-2020年発売:スピードマスター シルバー スヌーピー アワード 50周年記念モデル-
Ref. 310.32.42.50.02.0012020年に発売された3代目モデルは、シルバー スヌーピー アワード受賞50周年を記念したモデルです。
ネイビーブルーのサブダイヤルとベゼルは、シルバーのダイアルに美しいコントラストを与えています。これまでの他の2モデル同様、スヌーピーは9時位置のサブダイヤルに描かれています。
ケースバックには、”Eyes on the Stars “の文字の下に月面が描かれており、そこに組み込まれたスヌーピーが月に向かって飛んでいくというギミック(クロノグラフが動作すると、月軌道上の司令船に乗ったスヌーピーが動き、地球をかたどったディスクは1分間に1回転する)は、スピードマスターが宇宙探査のパートナーであることを示しています。
2代目までのエディションでは、長年にわたって数え切れないほどのスピードマスター・プロフェッショナルに搭載されてきた信頼性の高いキャリバー1861ムーブメントを使用していましたが、この50周年記念シルバー・スヌーピー・アワードは、オメガ最新の手巻きムーブメント3861を搭載したマスター・クロノメーターです。
◆スピードマスター シルバー スヌーピー アワード 50周年記念モデル
Ref. 310.32.42.50.02.001
ケース径:42mm
ケース厚:14.5mm
ケース素材:ステンレススチール
風防:サファイヤクリスタル
防水性能:5気圧(50m)
パワーリザーブ:50時間
手巻きキャリバー3861搭載
価格:1,639,000円(2024年1月現在)まとめ
最後まで読んでくださってありがとうございます。
記事内でご紹介しましたオメガのスピードマスター“スヌーピー アワード”コレクションは、オメガとNASAの長いパートナーシップを象徴するもので、宇宙飛行士たちの勇気と冒険心を称えるものです。
また、新しいモデルが発表されるたびに、時計作りの技術やデザインも進化しており、高い評価を得ています。
世界中で高い人気を集めており、時計愛好家にとっては、夢の一本と言える本コレクション。
未来に発表されるであろう4作目はどのようなタイミングで登場するのか?
そして、どのような遊び心や仕掛けで私たちを驚かせてくれるのでしょうか?
いずれにしても、今後もスヌーピー アワードコレクションは、多くの人々を魅了し続けてくれることに間違いないでしょう。
今後もオメガのスピードマスター“スヌーピー アワード”コレクションについて新しい情報が届きましたら、このブログにて皆様にお知らせしたいと思います。オメガのスピードマスター関連記事はコチラ
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