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こんにちは!久屋大通店の原です。
時計の機能を振り返ってみるブログ、前回の基本編に続き、今回はクロノグラフ編です。
皆さま、クロノグラフはお好きですか?
私は大好きです。
ちなみにクロノグラフとは、ストップウォッチ機能を備えた時計のことで、
三針時計にはないインダイヤルを持つデザインが特徴です。
▲こういうやつ。
という訳で今回は、クロノグラフってなに?どこが魅力なの?について、
今一度振り返ってみたいと思います!
クロノグラフって実はすごいヤツなんです。
クロノグラフは今や普遍的な機能に思われるかもしれませんが、元を辿れば複雑機構のうちのひとつです。
ただ現在はクロノグラフが世に出すぎているので、
時計といえばシンプルな三針か複雑なクロノグラフかの二択、というイメージを持っている方も多いと思います。
そもそもクロノグラフって、どういうものなのでしょうか?
先ほどもお伝えしましたが、シンプルに言うと、ストップウォッチ機能を搭載した腕時計のことです。
時間を指す針とは別にもう一つ針を設け、動作と停止を任意に操作できるような構造をしています。
この、動いている状態と止まっている状態を自由に操作できるというのがポイントで、
常に動き続けている時計の動力源から、計測する際だけ一時的に力をもらって針を動かし、
計測が終わったらまた切り離して針を止める、という構造を実現することが、とても難しかったのです。
正確な時刻の計測が必要な場面を想像して、
手元で操作できるようなコンパクトなサイズが求められたであろう……と思うと、なおさらですね。
クロノグラフの操作は、
①スタートボタンを押してクロノグラフの機構を時計の動力源に接続し、針を動かす
②ストップボタンを押して動力源から切り離し、針を止める
③クロノグラフの部分が動力源から完全に切り離された状態で、針をリセットさせる
の、繰り返しです。
普段何気なく使っているクロノグラフも、スタートボタンを押すたびに動力源へ接続して、
ストップするたびに切り離して……という大変な操作をしていると思うと、すごいな~と思いますよね。
こんな小さいのに頑張ってるなあ、と可愛く思えてきます。
クロノグラフにしかない魅力とは
クロノグラフのいいところって何でしょうか。
以前お伝えしたことと重複する部分があるかもしれませんが、まずはその見た目のかっこよさです。
シンプル三針にはない文字盤の複雑さや、立体的な構造をしたムーブメントのビジュアルは、
一番の魅力だと思います。
今回更に付け加えたいのは、その歴史的背景です。
先ほどクロノグラフは複雑機構であるとお伝えしましたが、
じゃあなぜその複雑機構がここまで普及しているのかというと、
クロノグラフが腕時計の発展において重要なポジションを占めているからです。
クロノグラフのおかげで腕時計が進化した……というと言いすぎかもしれませんが、
クロノグラフの製作において各社、各ブランド、各国が競った歴史があることは事実です。
腕時計の歴史において、最も重要な意味を持つ年はいつでしょうか。
おそらく1969年と答える方が多いと思います。
1969年は、それまで実現が難しかった自動巻きクロノグラフが、3社から(ほぼ)同時に発表された年です。
今では自動巻きクロノグラフは普通のものとして販売されていますが、
自動巻きとクロノグラフの腕時計のサイズでの両立は、1960年代当時、まだ例がなかったのです。
ちなみにその3社とは、セイコー、ゼニス、そしてブライトリング/ホイヤー・レオニダス(現タグホイヤー)/
ハミルトン・ビューレン(現ハミルトン)/デュボア・デプラの企業連合。
秘密裏に進められていた新型機の発表が、ブランドも国も跨いで3つ同時に世に出たという事には、
非常にロマンを感じますよね。
腕時計の黎明期を代表する、象徴的な出来事であったと思います。
アポロ計画の公式装備品としてスピードマスターが選ばれた際も、
その条件に「クロノグラフであること」とあったそうですから、
時を見る道具としての腕時計とクロノグラフには、私たちが思う以上に強い繋がりがあるんだと思います。
(ちなみにアポロ11号が月面着陸を果たしたのも1969年!
いろいろなことがあった年だったんですね~)
◆◇◆こぼれ話◆◇◆
クロノグラフにはカム式とコラムホイール式の二種類があり、一般的にコラムホイール式の方が高級と言われています。
コラムホイールとはこのギザギザした部分のことで、
昔はこのような複雑な形状のパーツを量産することができなかったため、
数が少ない高級機にしか搭載されていませんでした。
オメガのムーンウォッチも最初期はコラムホイール式でしたが、その後量産が進むにつれて、カム式へと変更されています。
(現在販売されているムーンウォッチはカム式、今回復刻されるキャリバー321はコラムホイール式です。)
今は切削技術が発達し、量産機にもコラムホイールが採用されているため、一概にコラムホイールは高級!とは言えなくなっています。
が、現在いわゆる高級機といわれるクロノグラフは、コラムホイール式がほとんどです。
軽く振り返るつもりでしたが、けっこう長くなってしまいました。
思ったより自分はクロノグラフが好きみたいです。
クロノグラフにそんな好きじゃないかもという方にも、ご興味を持って頂けると嬉しいです◎
↓過去にもクロノグラフについて書いた記事がありますので、リンクを貼っておきます。↓
TANAKAウォッチギャラリー 久屋大通店 担当:原 明日香(はら あすか)
店舗情報:https://kk-tanaka.com/info_hisaya/
お問合せ:https://kk-tanaka.com/contact/
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