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こんにちは!久屋大通店の原です。
今回は、ボーム&メルシエ「ボーマティック」の秘密についてお話ししたいと思います。
(秘密というか、秘密にしていたわけではないのですが、
あまりにもささやかなことだったので、結果秘密になってしまいました。)
ボーマティックとは?
ボーム&メルシエから2018年に発売された腕時計で、
40mmのコンパクトなケースに場面を選ばないデザイン、
120時間のロングパワーリザーブを備えながら30万円代という高コスパを叶えた、
ドレスウォッチの一つの究極です。
ボーマティックが発売された2018年当時、
「ボーマティック」として一番に宣伝されていたモデルの品番はM0A10436でした。
ですが、現在ボーム&メルシエのボーマティックを調べると、同じデザインのM0A10518という時計が出てきます。
この二つ、実は見た目には何も違いがありません。
では何が違うのかというと、中のムーブメントの仕様が異なっているのです。
具体的には、時計の心臓部であるヒゲゼンマイがシリコン製か、金属製かが違います。
▲M0A10436のヒゲゼンマイ。金色の輪の上に、細い糸のようなパーツが黒く光っているのが見えます。
▲こちらは金属製。同じパーツですが、こちらは銀色です。
シリコンヒゲゼンマイってなに?
ヒゲゼンマイは時計の精度を司る部品のことで、基本的な構造は昔から変化していません。
金属で作られていることがほとんどで、磁気の影響を受けやすいのが弱点でした。
そこで、その弱点を克服した新素材として登場したのが、シリコン製のヒゲゼンマイです。
シリコンはケイ素(Si)を主とした化合部で、金属ではないため、磁気の影響を受けません。
またそれ以外にも、
・摩耗しにくいため、メンテナンスの頻度が減る
・金属に比べて軽く、温度変化による膨張、収縮が少ない
など、時計にとって都合の良い性質が多く、近年流行し始めているのです。
ボーマティックも、その最先端技術を利用した時計のひとつでした。
どうしてシリコンヒゲゼンマイの採用をやめたのか?
ではなぜそんな素晴らしい素材を使うのをやめてしまったのかというと、メンテナンスが非常に難しいためです。
シリコンを細く長く加工したヒゲゼンマイは非常に繊細で、後々触ることができる人が限られてしまうので、
メンテナンス性の良い金属製を採用し直したとのことでした。
ボーマティックはリシュモングループ初のシリコンヒゲゼンマイを採用した時計であっただけに、
なんとなく惜しいな~と思ってしまいます。
(シリコンヒゲゼンマイを用いた時計というとオメガのイメージが強いかと思いますが、その印象はまさにその通りで、
シリコンパーツの開発においてはスウォッチグループが一歩進んだ位置にいます。)
ちなみに……
結果、一年ほどで生産終了となってしまった激レアのシリコンヒゲゼンマイボーマティック(M0A10436)ですが、
現在店頭に在庫がございます。
ボーマティックという時計の出来の素晴らしさを別にしたとしても、
どこか時計好きの心をくすぐられてしまう背景のあるモデルではないでしょうか。
市場から完全に姿を消してしまう前に、是非ご覧頂きたい一本です。
TANAKAウォッチギャラリー 久屋大通店 担当:原 明日香(はら あすか)
店舗情報:https://kk-tanaka.com/info_hisaya/
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