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こんにちは!久屋大通店の原です。
今回は、A.ランゲ&ゾーネ ツァイトヴェルク・デイトについてお話ししたいと思います。
なかなか実物を見る機会がないモデルですが、
12月18、19、20日の三日間のみ実機を展示する事が決まりましたので、この機会に詳しくご紹介致します。
(商品が入荷しましたら、実機画像を掲載する予定です!)
そもそもツァイトヴェルクって?
今回展示するツァイトヴェルク・デイトの話をするためには、まずツァイトヴェルクとはなんなのか、という話をせねばなりません。
ツァイトヴェルクとは、2009年にA.ランゲ&ゾーネより発表された、瞬転式デジタル表示の機械式腕時計です。
腕時計は時、分、秒を針で指し示すものが一般的ですが、ツァイトヴェルクは数字を横に並べて時刻を表示します。
液晶画面で表されるようなデジタル表示を、数字の書かれたディスクを回転させる事で表現しているということです。
デジタル表示の機械式時計というと、それだけでなんだか凄そうというか唯一無二感がありますが、
実はツァイトヴェルク以前にもデジタル表示の機械式時計は存在していました。
▲デジタル表示の時計というと、IWC「トリビュート・トゥ・パルウェーバー」が有名ですね。
この時計は1884年に製造されたデジタル表示の機械式時計を復刻したモデルで、
ツァイトヴェルクとは異なり、時、分、秒が縦に並びます。
ではツァイトヴェルクの特徴的な点はというと、
時表示と分表示を直感的に読み取りやすい横並びに配置している事と、
ディスクが瞬転式であることです。
瞬転式というのは、常にディスクが回転し続けていてゆっくり数字が動くのではなく、
時刻が変わったその瞬間にディスクがスライドするということです。
ディスクが常に動き続けているということであれば、一般的な時計の針も動き続けているわけですから、
針をディスクに置き換えれば実現出来そうな気もするのですが、(素人考えです。)
ツァイトヴェルクはそうではなく、全く新しい技術を用いて作られた時計ということになります。
この時点でツァイトヴェルクが「既存の構造に新たな機構をプラスしたスゴい時計」ではなく、
「新たな技術をイチから作り上げたスゴい時計」であることが分かっていただけたかと思います。
ですが、ツァイトヴェルクの本当に凄いところはここからです。
それは、「複雑機構の極地にありながら進歩をやめないところ」、
そして、「プラスアルファの機構を搭載する際に、基本構造を再度改めるところ」です。
ツァイトヴェルクのすごいところ その1
まずは一つ目、「複雑機構の極地にありながら進歩をやめないところ」から。
これはツァイトヴェルクのバリエーションを見て頂けるとわかると思います。
ツァイトヴェルクファミリーには現在、
①ツァイトヴェルク(2009年)
②ツァイトヴェルク・ストライキングタイム(2011年)…15分ごとに音を鳴らすソヌリ
③ツァイトヴェルク・ミニッツリピーター(2015年)…ボタンを押した瞬間の時、分、秒を三種類の音で知らせる
④ツァイトヴェルク・デシマルストライク(2017年)…10分ごとに音を鳴らすソヌリ
⑤ツァイトヴェルク・デイト(2019年)
があります。
(機構的に同じルミナスやハンドヴェルクスクンストは除きます)
①ツァイトヴェルク、⑤ツァイトヴェルク・デイトを除いて、全て音が出る時計です。
こんな複雑機構しかないラインナップ、他にはありません。
(しかも、初代ツァイトヴェルクからストライキングタイムまでの期間はたった二年!)
③ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターは、その名の通り、
ミニッツリピーターを備えたツァイトヴェルクです。
ミニッツリピーターとは、ボタンを押した瞬間の時、分、秒を三種類の音で知らせる機構で、
トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダーと並び、三大複雑機構に数えられる技術です。
▼ミニッツリピーターの動作については公式サイトの動画が非常にわかりやすいので、
リンクを貼っておきます。
②ストライキングタイム、④デシマルストライクは、音で時刻を知らせるという部分は同じですが、
ミニッツリピーターとはまた異なる、ソヌリという機構を持ちます。
ソヌリはどちらかと言うとアラームに近く、
15分ごとや30分ごとなど、決まった時間が経過するたびにひとつ音を鳴らす機能です。
▼ソヌリに関しても、以下の動画を見て頂けると、非常にわかりやすいと思います。
その中でも特に感銘を受けたのが、③ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターです。
ミニッツリピーターは、三種類の音で時、15分、1分を表現するのが一般的です。
例えば、7時52分には一つ目の音が7回、二つ目の音が3回、三つ目の音が7回鳴ります。
(1時間×7=7時、15分×3+1分×7=52分)
ですが、ツァイトヴェルクのミニッツリピーターは、時、10分、1分で時間を表現するので、
7時52分には一つ目の音が7回、二つ目の音が5回、三つ目の音が2回鳴ります。
ツァイトヴェルクの方が、直感的にわかりやすいですよね。
と言うより、こちらのリピーターを知っていると、他のリピーターの仕組みがややこしく思えるかもしれません。
この時計の凄いところは、
今まで15分刻みだったリピーターを、10分刻みというわかりやすい形式に設計し直したところと、
それをツァイトヴェルクに搭載したところです。
時、10分、1分の表示が一目でわかるツァイトヴェルクには、これ以上なくふさわしい機構に思えますよね。
直感的にわかりやすい10分刻みのリピーターを開発しようとしたらツァイトヴェルクがふさわしく思えたのか、
ツァイトヴェルクにリピーターを搭載するなら10分刻みの方がよいと考えたのか……
ものすごく運命的というか、理にかなっているというか、
確かに言われてみると、「ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターはこれが完成形だ」と思えます。
これに限らずランゲの時計にはそう思わせられることが多いですが、
ツァイトヴェルクに関しては特に強く感じます。
ツァイトヴェルクのすごいところ その2
二つ目、「プラスアルファの機構を搭載する際に、基本構造を再度改めるところ」について。
これは今回展示するツァイトヴェルク・デイトによく表れています。
ツァイトヴェルク・デイトは、単に既存のツァイトヴェルクにデイト表示を乗っけただけの時計ではありません。
既に完成されたものに機能を追加するにあたり、ムーブメント自体にも大幅に手が加えられています。
もしツァイトヴェルクにそのままデイト表示を載せたとしたら、ネックになるのはどこでしょうか。
それは操作性です。
ツァイトヴェルクには午前午後の区別がなく、大幅に時間を進める必要がないので、
時刻合わせはリューズで分表示を進めて行います。
ところがデイト表示が付くと12時間以上時間を進める必要性が出てくるため、
分単位でしか時間を進められないのは不便ですよね。
そのため、ツァイトヴェルク・デイトには、時表示のみを単独で進めるプッシュボタンが追加されています。
もちろん日付のみを送るボタンも付いていますから、
日付、時表示、分表示を全て別々に操作できるということです。
乱暴に言ってしまえば「既存の時計のデイト付きバージョン」なのですが、
どうしてもそれだけでは片付けられません。
今までにない形式のデイト表示を新たに開発してまでリリースされたことからも、
ツァイトヴェルクの日付つき、ではなくツァイトヴェルク・デイトという時計として、
新しく作り上げられた時計だということがわかります。
ツァイトヴェルクは全体で見ると比較的話題に上りにくいというか、
比較対象がないため取り上げられる回数が少ないように感じるのですが、
他にはない魅力(と、こだわり)が詰まっていてすごく良い時計だなと思います。
時計としては知っていても、実物を触る機会はまずないモデルだと思います。
実は自分も現物を触るのは初めてで、とても楽しみにしています。
ご興味のある方は、この機会に是非お立ち寄り頂けますと幸いでございます。
展示期間は2020年12月18、19、20日の三日間です!
皆さまのご来店を、心よりお待ち申し上げております。
【商品詳細】
価格:¥11,396,000
↓詳細ページ↓
TANAKAウォッチギャラリー 久屋大通店 担当:原 明日香(はら あすか)
店舗情報:https://kk-tanaka.com/info_hisaya/
お問合せ:https://kk-tanaka.com/contact/
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定休日: 水曜日(祝日は営業、12月は無休で営業)
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