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パネライを象徴するデザインのひとつに半円型のリューズプロテクターがあります。
今日はその特徴的なデザインをもつルミノールの歴史についてお話します。グイド・パネライの発明した「Radiomir」と
それを採用した潜水用腕時計「ラジオミール・ウォッチ」により
イタリア海軍との関係を不動のものとしたパネライ社。
二次世界大戦において、イタリア海軍潜水攻撃部隊により
ラジオミール・ウォッチは実戦での使用を重ねていきます。1940年代初期、これまでパネライ・ウォッチの文字盤に採用された蛍光物質「ラジオミール」が
大量のガンマ線を放射している事が確認されます。
パネライ社はこれに代わり、トリチウムをベースとした新しい発光性化合物を開発
これを「Luminor〈ルミノール〉」と名付けました。ルミノールも1949年にラジオミールと同様に特許を取得しました。
さらに同じ頃、潜水時計「ラジオミール・ウォッチ」に思わぬトラブルが発生します。
ねじ込み式リューズを採用したその時計は、時刻調整やゼンマイの巻き上げを繰り返すうちに
ネジが摩耗し長時間の潜水でケース内部に浸水するという事態が生じたのです。
この事実を受けパネライは潜水時計の改良を進めます。
改良を重ねた結果、リューズを覆う半円型のプロテクターにレバー取り付けた革新的な装置を開発します。
パネライが導き出したこの答えこそが、後のパネライブランドを象徴するデザインに繋がっていきます。
このリューズプロテクターの開発によって
新たなパネライ・ウォッチには機密性が保証され、水深約200メートルまでの防水性能が確保されると共に
リューズの誤作動の防止にも繋がりました。
1956年にパネライ社はこのリューズプロテクターの特許を取得します。
また、ゼンマイの巻き上げ頻度が少なくなれば、それだけ水が浸入する可能性も低くなると考え
8日間巻きのアンジェリス製ムーブメントを採用したモデルも登場します。パネライ社は終戦も伴いイタリア海軍以外からも注文を受ける様になっていき
その中でも特徴的だったのがエジプト海軍の要請により開発を進めた潜水時計は
回転ベゼルを装備し、文字盤にはルミノールを採用していました。
この時のデザインは後にサブマーシブルへと繋がっていきます。こうして1930年代に誕生したパネライ・ウォッチは
機能性や耐久性を高めながらその伝統を綿々と受け継いでいったのです。prev.2019.02.19
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